桜花抄

"僕たちの前には
未だ巨大すぎる人生が
茫漠とした時間が
どうしようもなく
横たわっていた"




誰もいない教室の電気を灯す瞬間


ゆっくり灯るグランドの水銀灯


電車の窓から見える真冬の風景


音もなく降り積もる雪


降り積もった雪を踏みしめる音


真冬のストーブの暖かさ


駅の電光掲示


待ち合わせの時間


待ち合わせの場所


人を本気で好きになった瞬間


初めてのキスの後、世界の全てが変わってしまった瞬間








心の奥底にしまい込んだ記憶


誰にも語ることのない記憶


泣きたくなるほどの切ない記憶






そして、決して忘れることのない記憶




秒速5センチメートル -桜花抄」
http://5cm.yahoo.co.jp/sokuhou/